イベント

講演会「2050年カーボンニュートラルに向けた化学業界の取組み」

日時
2022年9月09日(金)10時00分~17時05分
場所
オンライン開催(Zoomウェビナー)
協賛
高分子学会、化学工学会、触媒学会、石油学会、日本エネルギー学会、日本材料学会、日本化学工業協会、新化学技術推進協会
趣旨
政府は、2020年10月に2050年カーボンニュートラル(CN)、2021年4月に2030年度の温室効果ガス排出量46%削減(2013年度比)という目標を掲げた。それらの目標を実現する上で、2050年CNはコストではなく成長の機会と捉えた新たな産業政策として「グリーン成長戦略」(2020年12月)が策定されるとともに、将来にわたって安定的で安価なエネルギー供給を確保し、更なる経済成長につなげるための「クリーンエネルギー戦略」の中間整理(2022年5月)が取りまとめられた。2050年CNに向けては、革新的技術の開発とその社会実装・普及が極めて重要であり、わが国の産官学の英知を結集する必要がある。本講演会では、クリーンエネルギー戦略(中間整理)について説明するとともに、グリーン成長戦略で掲げられた成長が期待される14分野に関連する化学業界の研究・開発の最新動向、具体的な取組み、今後の展望などを紹介する。
プログラム
  • 各講演45分(説明35分、質疑10分)
  • 10:00-10:05
    開会挨拶 (旭化成株式会社 多胡 貴広)
  • 10:05-10:50 基調講演
    「脱炭素社会に向けたクリーンエネルギー戦略(中間整理)」
    経済産業省 産業技術環境局環境政策課 エネルギー・環境イノベーション戦略室長 三輪田 祐子氏

    2050年カーボンニュートラルを目指す中で、将来にわたって安定的で安価なエネルギー供給を確保するとともに、加えて、化学産業を含めた主要産業のグリーントランスフォーメーション(GX)、エネルギー転換の方策を整理するべく、現在、クリーンエネルギー戦略を検討している。
  • 10:50-11:35 特別講演
    「地球の永続性のために化学がこれからやるべきこと」
    早稲田大学 理工学術院先進理工学部応用化学科 教授 関根 泰 氏

    物質としてみると閉鎖系の地球において、化石資源を使い続けることは永続性を担保できない。地上資源と再エネを用いて、今の社会で必要とされている物質・エネルギー群を創り出すことは、化学産業としての一つの責務である。現在の状況や国内外の動向などを整理し今後を考えるヒントとしたい。
  • 11:35-13:00 休憩
  • 13:00-13:45 講演1(水素・燃料アンモニア)
    「 ハーバー・ボッシュ法を超えるアンモニア合成法への挑戦」
    東京大学大学院 工学系研究科応用化学専攻 教授 西林 仁昭 氏

    工業的アンモニア合成法であるハーバー・ボッシュ法に代わる次世代型窒素固定法の開発は科学者にとって最重要検討課題の一つである。我々の研究室では、開発に成功したピンサー型配位子を持つモリブデン錯体を分子触媒として利用することで、常温常圧の条件下で窒素と水とからアンモニアを極めて効率的に合成する方法の開発に最近になり成功した。アンモニア生成速度は窒素固定酵素ニトロゲナーゼに匹敵する値であった。達成した研究内容について、研究背景と共に紹介する。
  • 13:45-14:30 講演2(水素・燃料アンモニア)
    「カーボンニュートラル実現に向けたCO2フリー水素サプライチェーンの検討状況」
    ENEOS株式会社 水素事業推進部 主幹 前田 征児 氏

    ENEOSでは「カーボンニュートラル計画」では、2050年度カーボンニュートラルを目指し、再エネ拡大や水素・合成燃料等の早期実用化を通じたエネルギートランジションを推進している。政府のグリーンイノベーション基金事業を活用した海外水素の開発や臨海コンビナート地域での大規模需要創出・インフラ整備に関する最新の取組み状況と共に課題や将来展望について報告する。
  • 14:30-15:15 講演3(自動車・蓄電池)
    「硫化物全固体電池の特徴と開発状況」
    三井金属鉱業株式会社 事業創造本部 SE事業推進ユニット 事業戦略室長 兼 開発グループリーダー
    高橋 司 氏

    蓄電池の高性能化はエネルギーの効率的活用の重要な打ち手であり、中でも硫化物全固体電池は電気自動車や定置用電池用途として期待が高い。本講演では三井金属が取組む固体電解質の特徴と全固体電池の展望を紹介する。
  • 15:15-15:30 休憩(15分)
  • 15:30-16:15 講演4(カーボンリサイクル・マテリアル)
    「再生可能エネルギーを活用した電解による二酸化炭素の資源化 ~Power to Chemicals~」
    株式会社東芝 研究開発センター ナノ材料・フロンティア研究所 トランスデューサ技術ラボラトリ- 上席研究員
    北川 良太 氏

    カーボンニュートラルの実現に向けてCO2資源化技術の早期実用化が期待されている中、東芝は再生可能エネルギーを用いたCO2電解技術の開発に取り組んでいる。本講演では、CO2から化学品・燃料の原料となる一酸化炭素(CO)に変換するCO2電解技術を中心に、最新成果を交えて紹介する。
  • 16:15-17:00 講演5(カーボンリサイクル・マテリアル)
    「サーキュラーエコノミーの取組み ~ケミカルリサイクル技術~」
    住友化学株式会社 エッセンシャルケミカルズ研究所 環境負荷低減技術開発グループマネージャー
    森 康彦 氏

    プラスチックのサーキュラーエコノミーのためにマテリアル・ケミカルリサイクルに関する技術開発が盛んに行われている。本講演では、ケミカルリサイクルの技術開発動向と社会実装に向けた取組みを紹介する。
  • 17:00-17:05
    閉会挨拶(日本大学理工学部 梅垣 哲士)
参加費(税込)
開催当日までにお支払いください。お支払いは各種クレジットカード、コンビニ・ ATM がお使いいただけます。詳細は申込サイトにてご確認ください。

参加費(税込)
会員 17,000円
学生会員 2,000円
非会員一般 25,000円
非会員学生 4,000円

協賛団体会員、法人会員企業に所属する方は、会員価格で参加いただけます。法人会員企業一覧は こちら よりご確認ください。

会場
オンライン(Zoomウェビナー)での開催です。現地開催はありません。
申込締切
9月9日 10:00
申込方法
下記申込サイトからお申込みください。
https://2050cn.peatix.com/view
ご参加にあたっては、「参加者ポリシー」への同意をお願いします。
申込・問合先
公益社団法人日本化学会関東支部
E-mail : chemistry.or.jp