講演会「化学が先導するライフ・イノベーション ~医療・創薬研究の最前線~」
- 日時
- 2018年09月21日(金)
- 場所
- 化学会館7階ホール(東京都千代田区神田駿河台1-5)
- 協賛
- (予定):高分子学会、日本薬学会、有機合成化学協会
後援:日本ケミカルバイオロジー学会
- 趣旨
- 超高齢化社会に向かっている日本において、誰しも願う「健康長寿」は、医療費高騰の観点からも喫緊の課題となっている。その目標達成に向けて、「ライフ」分野に関する最近の研究は、異分野技術と融合し、ますます高度化しており、「化学」における技術革新もめざましい。
そこで、本講演会では、「化学を基盤とする医療・創薬研究」に焦点を当て、その最新研究・技術、および将来展望についてご紹介する。
- プログラム
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- 10:00~10:05 趣旨説明
- 10:05~11:05
1. 基調講演:医療・創薬分野における化学への期待:Nanomedicine分野を中心に
公益財団法人川崎市産業振興財団 ナノ医療イノベーションセンター
センター長 片岡 一則 氏
癌のような難病の治療や様々なイメージング手法に基づく非侵襲的な診断をナノテクノロジーに立脚した方法論で実現しようとするナノ医療への関心は近年、益々高まってきている。様々な機能を創り込んだ合成高分子の自己組織化に基づいて構築される超分子ナノシステムは、この様なナノ医療の中で、薬物キャリア、遺伝子ベクター、イメージングプローブとして重要な役割を担っている。そこで本講演では、ブロック共重合体から形成される超分子ナノシステム(高分子ミセル)に焦点をあて、その難病治療や非侵襲診断への応用について紹介する。 - 10:55~11:45
2. 自材料とデジタル技術の融合がもたらす新たな医療イノベーションの可能性
JSR株式会社 イノベーション推進室
3Dチームリーダー 林田 大造 氏
急速なデジタル技術の発展が進む中、とくに3Dデジタル技術領域では材料技術とデジタル技術の融合が重要な要素であり、これまでにない価値提案が創出されている。本公演では、JSRがオープンな産学連携で取り組む、3Dデータ×3Dプリンティング技術の医療分野への活用を中心に、今後の新たな医療イノベーションの可能性について述べる。 - 11:45~12:00 名刺交換会
- 12:00~13:00 昼食休憩
- 13:00~13:50
3. 生体内合成化学治療 ~哺乳動物内の精密有機合成化学が導く未来の創薬・医療~
国立研究開発法人理化学研究所 開拓研究本部 田中生体機能合成化学研究室
主任研究員 田中 克典 氏
私達は「生体内合成化学治療」と名付けた方法で、生きている動物内での生理活性分子の合成に挑戦している。従来のように、活性を持つ分子を体内に導入して、疾患の治療効果を検討するのではない。活性や毒性のない原料や試薬を体内に導入して、体内の特定の場所で時空間的に生理活性分子をピンポイントで創製し、その活性を発現させる。有機合成化学によってこれまでドロップアウトしてきた分子を見直す「分子ルネッサンス」である。本発表では最新の成果を含めた私達の「生体内合成化学治療」を紹介する。 - 13:50~14:40
4. ケミカルバイオロジー基盤を活用した創薬シードの探索
国立研究開発法人理化学研究所 環境資源科学研究センター ケミカルバイオロジー研究グループ
グループディレクター 長田 裕之 氏
新しい創薬シードを探索するために、我々は様々なスクリーニング法を開発して、生物活性小分子を探索している。本講演では、基板上に固定化した数万種類の化合物と標的タンパク質との相互作用解析に基づくシード探索法である「化合物アレイ法」のスクリーニング結果を中心に、最近の成果を発表する。 - 14:40~15:00 休憩・名刺交換会
- 15:00~15:50
5. 化学プローブ合成による生体内における細胞や分子の機能解明
大阪大学大学院工学研究科 生命先端工学専攻
教授 菊地 和也 氏
ポストゲノム時代における重要な研究課題として細胞内外に作用する分子の働きを、その場で解明することが挙げられるようになった。この目的達成には細胞内分子可視化プローブを化学原理に基づいてデザイン・合成することが非常に有効である。演者は“生きた状態における生体分子の空間的な局在性とその時間的な変化、量的・質的な変化を解析する手法”を創り出し、直接細胞やマウスに応用することに成功してきた。 - 15:50~16:40
6.AI創薬 ~最新技術及び研究事例紹介~
日本アイ・ビー・エム株式会社 ワトソンヘルス事業部
オンコロジー担当部長 川口 克己 氏
IBM Watson は、非構造データを理解し、論理的に推論し、継続的に学習する新しい概念のコンピューターで、それにより多くの知識と情報に基づいた、確実性の高い意思決定ができるようになる。講演では、IBM の経験として基礎研究から社会実験、事業化のあゆみを振り返り、いかに研究者が膨大な知識へのアクセス能力を拡張できたのか、国内外の事例や創薬研究者に利活用されているWatson for Drug Discovery のライブデモなど話題提供する。 - 16:40~17:00 名刺交換会
- 参加費(要旨集代含む)
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9月末までに銀行振込でお支払いください。振込手数料はご負担ください。請求書は申込み完了後にウェブよりダウンロードできます。
- 振込先:三井住友銀行神保町支店 普通預金 口座番号 2102601
- 名義:公益社団法人日本化学会関東支部
※当日現金での支払いができません。
参加費(要旨集代含む、税込) 会員 10,800円 学生会員 1,080円 非会員一般 16,200円 非会員学生 3,240円 協賛(後援)団体会員、法人会員企業に所属する方は、会員価格で参加いただけます。
- 懇親会
- なし
- 定員
- 110名(先着順)
- 申込締切
- 定員になり次第
- 申込・問合先
- 〒101-8307 東京都千代田区神田駿河台1-5
公益社団法人日本化学会関東支部
TEL : 03-3292-6163
FAX : 03-3292-6318
E-mail : kantochemistry.or.jp