支部長メッセージ
令和7年/2025年度

令和7年度日本化学会関東支部長
金原 数
(東京科学大学生命理工学院)
2025年度の関東支部長を務めさせていただいております,東京科学大学の金原 数です。伝統と活力に満ちた本支部の活動に貢献する機会をいただき、大変光栄に存じますとともに、身の引き締まる思いでおります。 関東支部は、日本化学会の中でも最大規模を誇る支部であり、基礎から応用に至る多様な化学分野の研究者・技術者・学生が集う場として、多角的な活動を展開してまいりました。
本年は、7月上旬にしてすでに猛暑日が続いており、気候変動の影響の大きさを日々実感させられる状況にあります。カーボンニュートラルの実現、資源循環の推進、環境負荷の軽減といった社会課題は、もはや喫緊のものとなっており、これらに対して化学が果たすべき役割は一層大きくなっています。また、人工知能や情報科学の急速な進展により、研究・教育の方法論も大きな転換期を迎えており、学際的かつ柔軟な思考がますます求められる時代となっています。
こうした時代の要請をふまえ、関東支部では毎年、社会情勢に即したテーマで講演会を企画・開催しております。今年度はその一環として「PFAS規制」と「資源循環」をテーマとする講演会を企画致しました。
さらに、若手研究者の育成、産学官の連携、化学教育の振興に向けた取り組みに加えて、小中高校生や一般の方々を対象とした化学の啓発活動にも力を注いでいます。たとえば、企業見学会、大学における化学な週末、化学系学生のための企業研究セミナー,理科・化学教育懇談会フォーラム,化学クラブ研究発表会など、多様な企画を通して、次世代を担う科学人材の育成や化学への理解促進に努めています。
こうした活動は、関東支部全体として展開されるのみならず、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、新潟の各地区においても、地域の特色を生かした講演会、研究発表会、交流会、1日化学教室などのかたちで、活発に行われています。
関東支部の活動は、会員の皆様お一人おひとりのご支援とご協力によって成り立っています。今年度も、皆様にとって有意義で刺激的な学びと交流の場を提供できるよう尽くしてまいります。引き続きのご理解とご支援を、心よりお願い申し上げます。
2025年7月11日