3月28日(土)午後に、国立科学博物館上野本館で関東支部との共催事業「高校生のための化学実験講座」が開催されました。
第102回となる今回は、講師に国際基督教大学の久保謙哉先生をお迎えして、「放射線を見る。測る。遮る。」というタイトルで行われました。
身近に天然放射性物質が存在していることが広く知られるようになってきていますが、人間の五感では感じることができません。霧箱や放射線検出器を使うことでこの放射線を実際に見たり測ったりすることができるようになります。今回の講座ではまず、一人一台ずつ簡易霧箱の製作を行いました。1L程度の薄い透明のプラスチック(PET)製の円筒容器を使用します。容器の上部内周に隙間テープを貼り、エタノールを含ませます。底に丸く切ったアルミホイルとその上に黒い紙を入れ、これにもエタノールを含ませます。線源(アルファ線)としてトリウムが塗られたキャンプ用のランタンマントルを小さな台座に付けて入れます。容器上部をポリエチレンラップで覆い、最後に底を砕いたドライアイスで冷やします。部屋を暗くして横からLEDライトで照らしながら数分待つと飛跡が見えるようになりました。プラスチック容器やLEDライトは100円ショップで購入できるものとのことでした。