プログラム 1. サステナブルモビリティ実現のための材料への期待 10:00-11:00 トヨタ自動車株式会社 電池研究部長 射場 英紀 氏 ハイブリッド車は、低燃費と走行性の両方という観点から、1997年の初代プリウスの発売以降、車種と台数を増やしている。電気のみで走行できる距離が長ければ長いほどCO2の排出低減やエネルギー多様性の効果は大きくなるので、蓄電池のエネルギー容量拡大への期待は大きい。次世代電池の候補として、全個体電池や金属空気電池などがあげられるが、その実現のためには、その電極や電解質などの構成材料に加えて表面処理技術のブレイクスルーが必要不可欠である。
2. マグネシウム燃料電池実用化の最前線 -携帯電話から自動車まで- 11:00-12:00 東京工業大学名誉教授/株式会社エネルギー創成循環 取締役会長 矢部 孝 氏 現在、マグネシウム電池と称するものが多数報告されているが、それは空気電池であり、スイッチのオン、オフが不可能で、燃料注入ができない。我々は、これを克服したマグネシウム燃料電池を開発し、携帯電話から自動車まで適用できることを証明した。
12:00-12:15 名刺交換会 12:15-13:15 昼食休憩
3. 高エネルギー密度電池のための材料化学 13:15-14:15 首都大学東京大学院都市環境科学研究科分子応用化学域 教授 金村 聖志 氏 蓄電池の高性能化への要望が強くなっている。電気自動車、家庭用蓄電池、携帯機器、スマートグリッドなど蓄電池がますます必要となっている。このような要求を満足できる蓄電池としてリチウム金属負極を用いるリチウム金属二次電池、リチウム金属全個体電池、リチウム金属空気電池、リチウム金属硫黄電池がある。また、Mg、Ca、Alなどの多価イオンを利用する電池も候補となる。本発表ではこれらの電池の可能性と開発現状について述べる。
4. 次世代燃料電池のための材料開発とその性能 14:15-15:15 山梨大学 特任教授/燃料電池ナノ材料研究センター顧問 渡辺 政廣 氏 エネファームに続き燃料電池車も市場導入された。これらが本格普及するには、触媒、電解質膜、膜電/極接合体(MEA)、セパレータなどの一層の高性能、高耐久、低コスト化が必須である。講演では、材料開発とその現象解明を実施してきたNEDOプロジェクト(HiPer-FC)の成果を中心に紹介する。
15:15-15:30 休憩
5. エネルギーキャリアとしてのアンモニアの利用と燃料電池発電への展開 15:30-16:30 京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻 教授 江口 浩一 氏 アンモニアは将来水素キャリアとしての利用が期待されている。アンモニアからのエネルギー変換法として燃焼のほかに、高効率な燃料電池の利用が考えられる。固体酸化物形燃料電池は高効率な発電法として期待され、アンモニアへの適応性も優れている。
6. 燃料電池用電極触媒の開発動向と課題 16:30-17:30 一般社団法人 燃料電池開発情報センター 常任理事 吉武 優 氏 ENE・FARMは2009年に、FCVは2014年に一般販売が開始されたが、今後の本格普及に向けては、電極触媒の一層の高性能化・長寿命化が必須である。PEFC用電極触媒の開発動向を紹介するとともに今後の課題について概説する。
17:30-18:00 名刺交換会 |